新シリーズ:「傍聴非常事態宣言」の第1弾です。
先ずは、何で「傍聴非常事態宣言」なのかを一つ一つの事例や現状を元にお話しなければならないでしょう。今回は、その第1弾としました。もちろん、これまでも審議会の傍聴環境づくりとしては、様々な審議会を傍聴し報告したり、市民参加としての傍聴を促すため、「行政側の審議会開催予定の告知状況報告」や「傍聴のための課題の提示」をしてきました。ただ、遅々として事態は改善せず。一向に傍聴環境は良くならないのが実際でした。今期は、「傍聴遠足」や「傍聴宴会」などの計画もしているのですが、ここで警鐘を鳴らす意味で、新たなシリーズとして、「ごみ非常事態宣言」ならぬ、「傍聴非常事態宣言」というものを開始しました。今回のテーマは以下の通りです。全3回シリーズで展開していきます。
第1弾の非常事態宣言テーマ:「審議会の答申・提言は機能しているのか」を知る
多くの審議会を傍聴していて、それぞれの審議会が市長による諮問機関として、市長の諮問により、行政に向けての提言や答申を提示する場面に何度も出会います。各期の委員による提言などは、その期の最後まとめられて、市から、市民に「こうした内容に基づいた施策を実施するようにという提言がありました。そのように行政は提言を受け、施策を実施していきます」という意味で公式サイトなどに発表、提示されます。
公募市民や有識者、関連団体からの委員などの討議を経て、大変すばらしい提言が数多く提示されます。しかし、この提言や答申がどこまで実施、実現しているかをご存じでしょうか?それ以前に、そうした提言や答申が市民に知られているのでしょうか?
まず、第一の課題は、こうした提言や答申が市民に知られているのかという点です。「市の知らせる機能としての“広報体制”、審議会議事内容の市民の認知のための“仕組み”」がしっかりしているか?という課題の存在です。
第二の課題は、提示された提言や答申が実現されているのか?実現されるための行政活動、事業は展開されているのか?という実態の把握(つまりは、実施への具体化となる事業計画とその評価とさらには継続的な改善へのステップがあるのかどうか)です。各審議会には、提言や答申を作成する機能は設けられているのですが、この審議会自体にこうした「市民に知らせる」「実施の点検、評価、改善」という機能は設けられていないのが実態なのです。実際、後は行政任せで、行政がそうした機能を持たなければ、優れた提言や答申は、形骸化=単なる飾り物に終わってしまうのです。それをチェックしていくためには「傍聴=市民協働による点検・評価・改善活動の鍵となる情報収集活動」さらには、「傍聴で得た情報を市民に知らせる」が必要です。そうした環境を整えることで、より「傍聴をしようという市民が増えるようにする」というのが本サイトの市民協働の考え方です。行政や市議会などの活動と一緒になって、暮らしを守っていくための環境づくりです。
実は、そうした市民協働という動きを進めていくために欠かせない「傍聴者」が少ないという小金井市の現実があります。のために小金井市が危機に瀕しているというのが、この「傍聴非常事態宣言」を発した理由です。全3回シリーズで、実際の審議会の事例を元に提言・答申が形骸化する過程とその実態をお知らせしていきます。
もちろん、このシリーズは、単にこうした現状を非難するためのものではありません。「こうしたことが起きないために何を市民はしていくのか?」「傍聴することで何が可能になるのか?」を発見していきます。その上で行政、市議会との協働を摸索していきます。何より市民が知って、行動するための一助となればと願う次第です。
<このシリーズ、続く・第2弾へ>