基礎講座・第2回:行政資料から学ぶ-基礎資料としての国土交通省の「雨水浸透施設の手引き」を読む
浸透設備の種類
【参考資料】:雨水浸透施設の整備促進に関する手引き(案)
:PDFは、こちらをご覧ください。
今回は、第2回として、主な浸透設備のタイプ、種別に関する情報を読み解きます。当該頁は、7Pと35Pです。以下にその部分を転載してご紹介します。
<浸透設備の種類>
基本的な浸透設備は、上記の5種類になります。なじみの深いもので個人住宅などで使用されるものは、屋根「浸透桝」ですが、浸透トレンチと一緒になった構造のものも多くあります。自宅の浸透桝の構造をもう一度、知っておくことも重要ですね。道路浸透桝は、それほどなじみのあるものではないかもしれませんが、下水に流れてしまう雨水などを道路に設置されている流れてくるゴミなどを除去するために設置されている雨水桝と合わせて地下に浸透させる設備です。
次に、それぞれの設備の特徴を以下にご紹介します。
この分類の資料からは、住宅の浸透桝(屋根からの雨水の浸透設備)は維持管理が必要ない反面、道路浸透桝は、道路を流れてくる可能性のある多様な汚濁物質のために目詰まりを清掃するなどの維持管理が必要なことが解ります。
とすると維持管理がしっかりしないと目詰まりして、機能しなくなるということです。まず、どこに設置されていて、誰が維持管理しているのか、しっかり確認しておくことが必要です。年1回程度の維持管理としていますが、設置場所、清掃時期(豪雨後?)など、様々な条件下で維持管理の必要性は変わってくるように思われます。また、この手引きの別な設備の維持管理について述べている章では、維持管理は、地域住民の協力が不可欠という表現もありました。小金井では???(今後、雨水活用プロジェクトでも小金井での設置、管理状況は、下水道課に確認を進めていく予定です)
第3回は、「どこに設置するのかを考える」と題して、設備の最適な設置場所をその土地の地勢などから解説している章をご紹介します。
用語解説:
<SS負荷>について
SSとは、浮遊物質(Suspended Solids)の略称で、懸濁物質とも呼ばれ、JIS K0102工業排水試験方法では「懸濁物質」として測定方法が定められています。SSは、水中に浮遊する粒径2mm以下の不溶解性物質の総称で、沈降性の少ない粘土鉱物による微粒子、動植物プランクトンやその死骸・分解物・付着する微生物、下水、工場排水などに由来する有機物や金属の沈殿物が含まれます。SSは水の濁り具合を示す指標であるため、SSが高いと水質汚染が進んでいるといえます。
SS負荷という言葉は、浄化施設にかかっている負荷を表す指数(BOD容積負荷、BOD-SS負荷)のことです。BOD容積負荷は、施設が汚水の量に対して十分な浄化能力を持っているかを表します。