小金井市審議会傍聴環境づくり:新シリーズ傍聴非常事態宣言 <番外編・第2弾>

社会教育委員の会議で作成実施した小金井市公式サイト内「生涯学習」コーナーの「生涯学習支援センター機能」づくりの提言を反映した改訂を評価する第2弾です。

前回までは、いかにこの新たな改訂で加えられた「生涯学習情報コーナー」が機能していないかをその前の平成25年に提示された「生涯学習支援センター機能」実現への提言からの経緯をご紹介してきました。また、その機能の一部として、ようやく6年を経て改訂された公式サイトの顛末とその効果などをご紹介してきましたが、今回は、なぜ、こんな事態に至ったのかをその原因ともいえる小金井市公式サイトの構造、コンテンツ設計方針、運営管理実態という側面から紐解いていきます。「生涯学習」という情報コーナーはあくまでその一例にすぎませんが、丁度、「生涯学習情報コーナー」を新たに付け加えたことでその実態を説明するのに適していると思われるので、題材としました。以下、少し長くなりますが、お付き合いください。

「生涯学習」について知りたいあなたへの答えを提供してくれる場所?

前回もご紹介したこの小金井市公式サイトの「生涯学習」コーナー(4月22日時点)のトップページは、以下のようなものです。少し前の画像なので、一番上の60周年記念講演会に関する1項目は、「そのときのタイムリーな情報」として、現在削除されています。前にもお話したようにこのトップページは、恐らく「小金井市の生涯学習について知りたい」という方が最初にアクセスする場所だと考えてよいと思います。公式サイトのトップページの「子育て・教育」から「生涯学習」を選んだり、トップページの検索で、「生涯学習」を検索していきつく場所です。

「生涯学習」の入口となるページ(色が変わっているのは、アクセスした後)

それぞれの項目(8つ)を見て、丁度、その内容を知りたかったという方は、直ぐにその項目をクリックして、ご覧になるでしょう。こうした場合については、後でご案内します。先ずは、一般的に、総合的に「小金井市の生涯学習とはどんなことをしているのか?」を知りたいという方にとっての情報提供機能を見ていきましょう。そうした場合、一番上にある「文化財事業」がその答えとなる情報が掲載されている場所だと思われるでしょうか?多分違います。「お知らせ」もニュースのような最新情報が掲載されていると感じられるので、恐らくは、その次の「事業案内」を選ばれる方が最も多いと予想されます。では、この「事業案内」を見てみましょう。以下のような頁です。

3つの事業が紹介されている事業案内のトップ

3つの事業が紹介されています。生涯学習には、大きく3つの事業があるのだと理解できます。この中で「生涯学習」の全体像を知りたい方は、多分上から順番にその事業をクリックして、見て行かれるでしょう。一番上は、「生涯学習事業」です。その「生涯学習」という名前を冠した事業ですから、最も基本的な事業だと思ってアクセスされることでしょう。

注:ここで「生涯学習事業」を見る前に、ちょっと気にしてみて欲しいことがあります。一番下の「文化財事業」です。実は、先ほどの生涯学習のトップページで一番上の項目が「文化財事業」だったことを覚えていますか?一つ上のレベルに同じ「文化財事業」という項目がある不思議が見えてきます。一応、憶えておいてください。後で説明します。

では、「事業案内」>「生涯学習事業」とアクセスした方が、到達するページをご紹介します。以下の通りです。多くの「講座など」(制度?事業?という表現もありますが、主に講座が多く記載されています)が、対象とする「1.子どもたちを対象とする」「2.大人も対象とする」「3.その他」と3項目で区分けして紹介されています。生涯学習事業とは、様々な対象者に向けた「講座(制度?、事業?)」を展開する事業なのだとわかります。ここで赤枠で囲ってあるのは、私が特に赤枠を付けたためです。実は、この全体を見ると大変なのでこの2番目の「大人も対象とした講座など」という項目を題材に他の項目と比較してみるためです。

また、それと大事なことがもう一つあります。頁の右上の「更新日」とある表示です。「2012年8月29日」という約6年以上前に提示された情報ページだという事実です。覚えておいてください。

「大人を対象とする講座」は、2つ? 他は1つの事業と1つの制度?

大人も対象とする講座は、「学び合い出前講座」「団塊の世代のための地域参加講座」の2つのようです。その他に「(市内近郊の)大学のと連携事業」「講師登録制度」というものが記載されています。ただ、どの内容も詳細は不明です。なぜなら、このページから、より詳細なページに進むことができるようにはなっていないからです。生涯学習事業については、これが全てという情報提供方法です。

もっと知りたい方は、前のページに戻って、「清里事業案内」「文化財事業」をそれぞれ、見ていかれるでしょう?皆さんは、「生涯学習」とその3事業について、十分な情報を提供されましたか?良く解りましたか?私は、最初にこのページを見た時に「これでは、何もわからないと正直、腹がたちました」「これだけ!」という気分でした。

多分、社会教育委員の会議の委員の方も同様の経験をされているのかもしれません。だからこそ、新たなページを、情報提供をと改革を提案されたのだと思います。その証拠に、新たに設計された「生涯学習情報コーナー」には、この「生涯学習事業」と全く同じ内容も情報提供されているのです!それを以下にご紹介します。新たな「生涯学習情報コーナー」のページです。情報内容が多いために、先ほどの「大人も対象とする講座など」の情報部分を比較のためにご覧いただきます。今回のページでは、「大人が主な対象の講座・事業」となっています。

今回は、講座が3つのみです。事業としているものの、前にあった「大学との連携事業」や「講師登録紹介制度」は削除されています。無くなったのでしょうか?ただ、出前講座だけは、詳細な情報リンクによりパンフレットや申込書などを見ることができるようになっています。これが最新の情報なのでしょう。では、できた場会のページなので当然このページのトップには、最新の更新日が前例ように記載されているでしょうか?以下がそのトップです。何も記載されていません。私は、更新したばかりのページと知っていますが、多分アクセスした方は、ご存じないでしょう?同じような情報が掲載されている場合、どちらが「正しい」「最新」なのでしょう。もちろん、6年前のものを新しいと思う方はいないかもしれませんが、このページがもっと古かったらと考えたり。または更新日すら気にも留めなかった方は、多分良く解らないまま、どちらかのページを見て、理解したとされるのでしょう。

課題整理 第1弾>①レベルの低い公式サイト構築能力が生む同じ情報内容が異なって存在する、知りたい情報に行きつかない広報の現状②改善したつもりが混乱を招く③校正、確認をしないPDCA不在の審議会

今回の課題整理はここまでです。課題のほんの一部と思ってください。傍聴してきた社会教育委員の会議では、このページの「大人を主な対象とした事業・講座」に「こがねい市民講師登録制度とその紹介」も項目として掲載し、その先に登録リストをリンクして見れるようにすべきとの以下のような案でしたが、それも抜け落ちています。抜け落ちても、「提案した委員すら、気付かない」というのが現実です。

市の広報システムの基本課題、生涯学習についての情報サービスの現実、さらには提言・答申にあったような「他部門との連携(コミュニティ文化課、市民協働支援センター準備室など)」はまだまだ、この先の課題です。それを述べるまでもなく、こうした課題が見つかります。

今回の第2弾は、ここまでにします。まだ、課題は山積みなのですが、あまりに長くなってしまうので、ここまでにします。本気で報告すれば、10回シリーズになりそうな予感すらしますが、今回は、ここでやめておきます。

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