小金井市審議会傍聴環境づくり:傍聴非常事態宣言 2020年第1弾

第1期:情報公開が進まない理由を知る

各審議会を実際に傍聴しているとその開催予定が重なり、傍聴できない審議会が数多くあることに気が付きます。傍聴できなくても、子ども、教育、福祉などの審議会、協議会は既に傍聴者が多かったり、市民公募委員、市民活動家の方々が多く参加されているので、傍聴しなくても、市民への情報公開は進んでいるのではと安心していました。傍聴者0名という審議会を中心に傍聴していました。

それでも、情報公開(公式サイトでの会議録以外の資料の公開や関連資料が質問はされても、市議会などに市議を通じて公開されることがない)進まない審議会もあることに気づきました、一度こうした審議会を傍聴し、その理由を知りたいと思い、そうした協議会の一つ、「地域自立支援協議会(合同部会)」を傍聴してみました。以下、そのご報告です。

2020年2月21日 18:30~ 地域自立支援協議会(前原暫定施設)

幾つかある部会の合同の会議なので、十数名の方が集まります。

まず、傍聴される方の数はというと、この回では傍聴は、私と市議1名、聴覚障害者(手話サポートがつきます)1名の計3名でした。

以下、市民参加のための機能と情報公開度をご紹介します。

1)傍聴者のためにこの協議会では、「意見・提案シート」は配布されます。

2)協議会の内容の情報公開はというと、

傍聴者に対しては、

傍聴用資料は、3セット程度用意されているだけで、それ以上の傍聴者の場合は、一緒にご覧くださいとのことでした。閲覧した会議傍聴用書類(会議次第、資料1~10まで)は一切、持ち帰れませんでした。(市議は持ち帰っていたようです。この市議が一般質問でこの自立支援などの分野の質問を予定されています)

さらに、来場できない、Webなどで情報を得たいという市民に対しては、

公式サイトには会議録は公開(2月段階では、昨年の11月会議までの会議録が公開されていますが、事前の会議次第から、事後の資料などは一切、公開されていません)。同協議会の会議録は、こちらから、ご覧いただけます。

結論:情報公開は、さほど進んでいません。市民の同会議の参加者もそうしたことへの必要性を感じていないようです。「自分たちが資料を参考に活動、伝達すれば良い」、「会議で入手した資料はそいれぞれの委員が活用するのだから、それで十分」ということなのかもしれませんが、一般市民向け、傍聴者への資料提供などという点では、行政側への要請はしていません。会議録を公開しているからいいだろうという程度(どの審議会とも同様の最低限の公開度)です。

今後へ>この協議会への情報公開への要請、チャレンジをしてみます

その1:まず、「意見・提案シート」への情報公開提案をしてみます。

その2:知り合いの会議参加メンバー(委員)に協議会への情報公開推進への提案を話してみます。「会議で提案してもらう」などやそうしたことへの意見確認です。

その結果を第2弾として、後日ご紹介します!!

小金井市審議会傍聴環境づくり:新シリーズ傍聴非常事態宣言<番外編 第1弾>

今回は、前回まで、3回シリーズでお伝えしてきた審議会の「傍聴非常事態宣言」の番外編です。4月22日に開催された「平成31年度第1回:社会教育委員の会議」での懸案事項だった「生涯学習センター機能」の一部を現状小金井市公式サイト内で実現する活動の後日談です。具体的に提言の一部がどのように実現されたか(小金井市の公式サイトで実現されたか)をお伝えしようと思います。

結果は、小金井市の公式サイトの「生涯学習」コーナーをご覧いただければ一目瞭然です。「生涯学習情報コーナー」という区分のコーナーが設置され、様々な生涯学習の情報が一覧で見られるページができました。そのことが会議で報告され、委員からは特に問題は指摘されませんでした。「取りあえず、一部でも実現できて良かった」というところでしょうか。実際のコーナーは、こちらをご覧ください。

次に私なりにこの改訂の課題を読み解き、これからの参考にしてもらうためのガイドをしてみます。

“小金井市審議会傍聴環境づくり:新シリーズ傍聴非常事態宣言<番外編 第1弾>” の続きを読む

小金井市審議会傍聴環境づくり:新シリーズ傍聴非常事態宣言 その3

今回は、いよいよ3回シリーズの最終回です。

新年度の第一弾として企画した本シリーズの最終回は、直接「社会教育委員の会議」という事例で「提言・答申の形骸化」への警鐘を鳴らすだけでなく、審議会という場で市民協働がどのように可能かという提案へと繋いでいきたいと思います。

残念ならが、前回の第2弾でお知らせしたように同審議会の「生涯学習支援センター機能の実現」という提言の実現はその第一歩となる小金井市の公式サイトでの「生涯学習」コーナーの改訂という具体化から、つまずいて、まだ実現に至っていないという現実をお伝えしました。こうした色々な事情が重なっての現状を打開するには市民として、審議会にどのように関わっていけばいいのかというのが今回の最終回のテーマです。

市民協働施策のその1:1年間放置された「生涯学習支援センター機能の実現」への施策はどのようにすれば、放置されないようにできたか?

この問題は、もう一度、第2弾でご紹介した提言を読み込むことから、ご説明していきたいと思います。前回お伝えしたようにこの提言には、「生涯学習支援センターの機能について(あるべき機能の提示)」と「行政に求める役割について(実現にむけての行政の活動指針提示)」がありました。実は、もう一つ、「計画上の位置付け」という項目もあったのです。これは、現状で生涯学習計画として推進されている長期計画との連携の重要性を説いたものでした。以下転載して、ご紹介します。

“小金井市審議会傍聴環境づくり:新シリーズ傍聴非常事態宣言 その3” の続きを読む

小金井市審議会傍聴環境づくり:傍聴非常事態宣言その2

新シリーズ:傍聴非常事態宣言の第2弾です。

最初にご紹介するのは、平成28年から傍聴してきた「社会教育委員の会議」です。きっかけは、当時の委員の方から、三者合同会議での講演を依頼され、この会議に初めて参加したことからでした。この会議は、図書館や公民館などの審議会と同様に小金井市の社会教育(小金井市では生涯教育となります)を全般に審議するための会議で有識者と関連団体、公募市民からなる委員の会議です。この会議の委員は、社会教育委員の設置に関するこちらの条例で定められています。

社会教育委員の会議による提言とは

先ず、この会議が審議し、提示してきた提言をご紹介します。様々な審議をしていく中で「提言」としてまとめられるものは、よりその必要性が高く、緊急性も高い施策であることは言うまでもありません。この会議の最も新しい提言は、市役所の公式サイトのこちらからご覧いただけます。内容は、「生涯学習支援センターの機能の実現について」というもので平成25年に提言として発表されています。以下に簡単に内容の一部を転載して、ご紹介しましょう。

「生涯学習支援センター機能の実現について」という提言を知る

この提言は、平成25年8月にこの社会教育委員の会議と図書館協議会、公民館運営審議会という3つの審議会から、小金井市教育委員会への提言です。先ず、「センター機能の実現」という内容から、どのような機能をもったセンターの実現を求めているのかをご紹介します。4つの機能を提示しています。

“小金井市審議会傍聴環境づくり:傍聴非常事態宣言その2” の続きを読む

小金井市審議会傍聴環境づくり:傍聴非常事態宣言その1

新シリーズ:「傍聴非常事態宣言」の第1弾です。

先ずは、何で「傍聴非常事態宣言」なのかを一つ一つの事例や現状を元にお話しなければならないでしょう。今回は、その第1弾としました。もちろん、これまでも審議会の傍聴環境づくりとしては、様々な審議会を傍聴し報告したり、市民参加としての傍聴を促すため、「行政側の審議会開催予定の告知状況報告」や「傍聴のための課題の提示」をしてきました。ただ、遅々として事態は改善せず。一向に傍聴環境は良くならないのが実際でした。今期は、「傍聴遠足」や「傍聴宴会」などの計画もしているのですが、ここで警鐘を鳴らす意味で、新たなシリーズとして、「ごみ非常事態宣言」ならぬ、「傍聴非常事態宣言」というものを開始しました。今回のテーマは以下の通りです。全3回シリーズで展開していきます。

第1弾の非常事態宣言テーマ:「審議会の答申・提言は機能しているのか」を知る

多くの審議会を傍聴していて、それぞれの審議会が市長による諮問機関として、市長の諮問により、行政に向けての提言や答申を提示する場面に何度も出会います。各期の委員による提言などは、その期の最後まとめられて、市から、市民に「こうした内容に基づいた施策を実施するようにという提言がありました。そのように行政は提言を受け、施策を実施していきます」という意味で公式サイトなどに発表、提示されます。

公募市民や有識者、関連団体からの委員などの討議を経て、大変すばらしい提言が数多く提示されます。しかし、この提言や答申がどこまで実施、実現しているかをご存じでしょうか?それ以前に、そうした提言や答申が市民に知られているのでしょうか?

“小金井市審議会傍聴環境づくり:傍聴非常事態宣言その1” の続きを読む